ヒット漫画『テルマエ・ロマエ』の作者だと言えば、「ああ!」と思う人も多いのではないでしょうか。
漫画家・画家・著述家と3つの側面を持つヤマザキマリさん。
その広大な世界を俯瞰する展覧会が、東京都・八王子市の東京造形大学附属美術館およびZOKEIギャラリーで開かれています。
展覧会の企画に携わったのは、東京造形大学の学生と教職員。
彼らの目線から見る“ヤマザキマリの世界”とはどのようなものでしょうか。
10月の終わり、相原駅からスクールバスに乗って内覧会へ。
本展の魅力について、会場写真を交えながらご紹介します。
『ヤマザキマリの世界』の概要
ヤマザキマリさんは東京造形大学の客員教授。
これまでのキャリアを活かし、未来のアーティストを育てる場である東京造形大学の教育に携わっています。
そんなマリさんにフィーチャーした個展を学生たちと企画し、2021年9月から準備を継続してきた本展。
「“ヤマザキマリの世界”という題だけれど、これはヤマザキマリだけの展覧会ではなく、作り上げた学生たちの展覧会でもある」と話すマリさんからは、学生たちへの温かな思いが感じられました。
・ヤマザキマリさんの漫画が好き!原画を見たい!
・ヤマザキマリさんのエッセイを沢山知りたい!
・学生たちが作り上げたキュレーションを見てみたい!
ヤマザキマリさんは、14歳のときに1人でヨーロッパを旅するという稀有な体験をしました。
以来、国境にとらわれない生き方を続けている人です。
代表作『テルマエ・ロマエ』にも見られるように、異文化のクロスオーバーによって全く新しいものを生み出すセンスが素晴らしい!
実際にイタリアで暮らし、絵画と美術史を学んだことから時代考証や描写力にも優れている点が特徴です。
現在はTV出演やコメンテーターなどメディア関連の仕事も多くこなし、魅力的なトークで人びとを惹きつけています。
展示室は初公開となる資料もバラエティ豊かに並び、“ヤマザキマリの世界”を十分に味わい尽くせる空間。
特別展示《リアーチェの戦士》復元摸刻も必見です。
漫画家・画家・著述家とさまざまな肩書きを持つヤマザキマリさん。
本展ではその全てにしっかりとフォーカスを当てています。
漫画のコーナーでは、『テルマエ・ロマエ』の手描き原稿を多数展示。
エッセイのコーナーでは、単著本から共著本まで幅広い著作活動を網羅。
海外生活で体感したことを独自の視点で語るエッセイは、多くの人に評価されています。
画業を紹介するコーナーでは、山下達郎の新譜「SOFTLY」のジャケットに用いられた油彩も展示。
若くして「画家になりたい」と夢を持ち、単身でイタリアに渡ったヤマザキマリさんの原点を感じさせます。
また、会場では4歳から10代後半に描いた貴重な資料も展示。
幼少期から絵が大好きで、ご本人曰く「家中の壁に絵を描き、習い事で使っていた楽譜や学校の教科書にもびっしりと絵を描いていた」というヤマザキマリさん。
その画力は当時から抜きん出たもの!すでに作家の片鱗を感じさせる作品群です。
ヤマザキマリの世界を多様な視点から味わうために、趣向を凝らした学生制作品も展示。
たとえば下記は『テルマエ・ロマエ』の世界観にちなみ、古代ローマで建設された浴場遺跡「カラカラ帝の浴場」を当時の姿で復元しました。
ご本人も感動したという巨大な《モザイクアート》にも注目です。
さらに、第2会場であるZOKEIギャラリーでは学生たちがヤマザキマリさんの作品を研究し、自分なりの考察や感じたことを形にしたキュレーションに圧倒されます。
出入り口にはフォトスポットもありますので、記念撮影におすすめです。
「ヤマザキマリの世界って、私自身もよくわかっていないんです。」
内覧会のトークセッションでヤマザキマリさんがおっしゃっていた言葉。
一言でピタリと表すのが難しいほど、インスピレーションの源泉は深遠にあります。
展覧会は11月26日(土)まで。
ぜひ展覧会へ足を運んでみてください。
会期 | 2022年10月25日(火)〜2022年11月26日(土) ※ZOKEIギャラリー(12号館1階) 2022年10月25日(火)~11月18日(金) |
住所 | 東京都八王子市宇津貫町1556 |
時間 | 10:00〜16:30(最終入館時間 16:00) ※11月25日(金)は19:00まで開館 ※入館は閉館の30分前まで |
休館日 | 日曜日, 祝日 |
観覧料 | 無料 |
TEL | 042-637-8111 |
URL | 展覧会 公式サイト|https://yamazakimari.world/ 東京造形大学附属美術館|https://www.zokei.ac.jp/museum/ |
交通案内 | 住所: 〒192-0992 東京都八王子市宇津貫町1556番地 TEL: 042-637-8111(代表)/ FAX: 042-637-8110(代表) JR横浜線 相原駅よりスクールバス5分(徒歩15分) ※スクールバスはどなた様も無料でご利用いただけます |