【報道発表会レポート】東京国立博物館 特別展『東福寺』

「東福寺は、いわば禅宗寺院の“ラスボス”なんです。」

大乗仏教の宗派の1つである禅宗
その拠点となる寺院は日本に数多くありますが、中でも京都府にある東福寺は特別なスケールを誇ります。

長い歴史の中で大切に保護してきた文化財の数も随一。
しかしながら、今まで東福寺にフォーカスした大規模展は行われてこなかったといいます。

この度、東京都・上野東京国立博物館京都府・東山区京都国立博物館では、特別展「東福寺」を開催する運びとなりました。

上野公園の木々も色づき始めた11月初頭、東京国立博物館の平成館大講堂で開かれた報道発表会のレポートを本記事でお届けします。

会場主催者
東京東京国立博物館、大本山東福寺、読売新聞社、
NHK、NHKプロモーション、文化庁
京都京都国立博物館、大本山東福寺、読売新聞社、
NHK京都放送局、NHKエンタープライズ近畿

※東京会場の収益の一部は、「紡ぐプロジェクト」における文化財の修理事業に充てられます。

展覧会公式フライヤーは東京と京都で色違い。
東京バージョンは初夏にちなんで若葉色、秋に開幕する京都バージョンは紅葉色。東福寺の四季を表現するようなこだわりが感じられます。

東京会場 チラシビジュアル

特別展『東福寺』の概要

鎌倉時代から続く東福寺の歴史を辿りつつ、大陸との交流を通して花開いた禅宗文化を幅広く紹介する展覧会。
東福寺の日本文化における意義とその魅力について、余すところなくご覧いただけます。

「オールアバウト東福寺」というキャッチフレーズにもあるように、東福寺のすべてがわかる意欲的な企画です。

こんな人におすすめ

・東福寺の貴重な文化財をぜひ見たい!

・京都の寺社仏閣に興味があり、どのような美術品があるのか知りたい!

・たくさんの仏教美術を見てみたい!

京都五山の一角、東福寺とは?

東福寺は京都五山の中でも極めて大きなスケールを誇る禅寺で、随一の古い品々が残っています。
秋の紅葉が有名なスポットでもあり、観光客も毎年多く訪れる場所です。
※京都五山…京都にある臨済宗の五大寺。南禅寺・天竜寺・相国寺・建仁寺・東福寺・万寿寺の5つ。

始まりは鎌倉時代まで遡り、日本から中国へと渡って禅を学んだ円爾(えんに / 聖一国師 しょういちこくし)を開山に迎えて創建されました。
※開山(かいさん)…寺院を開創すること。また、その寺院を開創した僧。

お寺の名前は、奈良で栄えていた東大寺と興福寺から1文字ずつ取ったことに由来します。

京都では数々のお寺に対して「〇〇寺の〇〇面」というキャッチコピーのようなものがあるそうですが、東福寺は「伽藍面(がらんづら)」
伽藍とは僧侶が集まって住み、修行をする場所のこと。我が国随一の巨大伽藍で、これまでに多くの弟子を育成してきました。

東福寺には中国伝来の文物をはじめ、建造物や彫刻・絵画・書跡など禅宗文化を物語る多くの特色ある文化財が伝えられています。そのうち国宝7件、重要文化財98件と由緒ある美術品も豊富。

「応仁の乱」の戦火や度重なる火災に遭い、消えていった文化財も少なくありません。
そのような歴史の中にあっても、東福寺は沢山の素晴らしい宝物を守り抜いてきたのです。

東福寺 三門
東福寺

展覧会の見どころ

——圧倒的スケール、すべてが規格外。

東福寺の寺宝をまとめて紹介する初の機会となる本展では、「画聖」とも崇められた絵仏師・明兆(みんちょう)による大作「五百羅漢図」の現存する全47幅を修理後初公開するとともに、巨大伽藍にふさわしい特大サイズの仏像や書画類の優品も一堂に展観します。

展示作品と見どころについて、東京国立博物館・京都国立博物館それぞれの研究員の方が教えてくださいました。

京都の大禅宗寺院「東福寺」初の大規模展覧会開催!

やはり、東福寺を紹介する“初の大展覧会”である点がポイントです

円爾が中国から日本に持ち帰ってきた仏像や書画など、今まで公開される機会が少なかった貴重な品々が揃っています。

巨大な仏像や道具など、目を見張るほどの物量で見る人を圧倒する美術品にも注目です。
《仏手》はなんと高さ2m! トーハクの広い会場だからこそできる、圧巻の展示をお楽しみください。

仏手 鎌倉時代・14世紀 京都・東福寺蔵
※東京・京都会場とも通期展示

「画聖」明兆の描いた五百羅漢図

14年かけて修復された吉山明兆(きっさんみんちょう)の大作五百羅漢図(ごひゃくらかんず)が展示されます。

明兆は東福寺所属の絵仏師(寺院の絵所に属し、仏教絵画の制作、仏像の彩色を職業とした者)で、禅宗画を数多く描いた人物です。

全50幅のうち45幅は、東京では3期ごと・京都では4期ごとに展示替えがあります。
3〜4回足を運べばコンプリート可能!

明兆の素晴らしい画力と、カラフルでポップな色彩が映える見事な作品です。
※羅漢…仏教において最高の悟りを得た、人びとから尊敬されるにふさわしい高僧・聖者のこと。

重要文化財 五百羅漢図のうち第1号幅 吉山明兆筆 南北朝時代・至徳3年(1386) 京都・東福寺蔵
※展示期間 東京会場:3月7日(火)〜3月27日(月) 京都会場:10月7日(土)〜10月22日(日)

東福寺の魅力が詰まった展覧会!

展覧会は東京会場で来年3月7日(火)に開幕し、その後に京都会場では10月7日(土)から開催されます。
春の上野はお花見や行楽にも最適。秋の京都は豊かな風情を味わえることでしょう。

会期中、東京会場では「東福寺を体感する」をコンセプトに、伽藍の一部を再現する試みもされるそうです。
巨大伽藍のスケール、ぜひ展覧会を訪れて全身で感じてみてください。

展覧会情報
会期東京:2023年3月7日(火)~5月7日(日)
京都:2023年10月7日(土)~12月3日(日)
住所【東京会場】
東京都台東区上野公園13-9  東京国立博物館 平成館
【京都会場】
京都府京都市東山区茶屋町527 京都国立博物館 平成知新館
TEL東京:050-5541-8600(ハローダイヤル)
京都:075-525-2473(テレホンサービス)
URL展覧会 公式サイト|https://tofukuji2023.jp/
交通案内東京|https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=113
京都|https://www.kyohaku.go.jp/jp/visit/access/
ご案内

※会期・開館情報は状況により変更になることがあります。

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