【展覧会レポート】SusHi Tech Square『わたしのからだは心になる?』展

もしもわたしのからだが、「  」になとしたら。

私たちの身体感覚は、バイオ技術や仮想空間のようなテクノロジーの進展とともに変化しつつあります。もっとも、それらはスマートフォンやゲーム機の登場時から始まり、これからAIや自動運転などさまざまな技術によってさらなる変容が予想できます。

そうした現代における「身体」のありようとは何かを問いかける企画が、東京都・有楽町のSusHi Tech Squareで始まりました。

有楽町駅前に新しくオープンした、入場無料のメディアアートとテクノロジーの体感拠点にて。
どのような試みがなされているのかを、プレス内覧会で取材しました。

展覧会公式フライヤー
会場内の写真について

※本展は会期中の撮影が可能です。

『わたしのからだは心になる?』展の概要

本展はクリエイティブディレクターの田尾圭一郎氏キュレーターの塚田有那氏を筆頭に、気鋭のアーティスト・研究者たちが、体の未知なるイメージや社会の中での身体の存在について問いかけます。

本展のクリエイティブに関わったスタッフとアーティスト一同
メディアツアーで展示を解説する塚田有那氏(左)と田尾圭一郎氏(右)
こんな人におすすめ

・アーティストや研究者が制作したメディアアートが見たい!

・気づきや思考を促す展示を見て刺激を受けたい!

・有楽町エリアでノマドワークできる新スポットを見つけたい!

東京の未来を考える、SusHi Tech Square

SusHi Tech Squareは、SusHi Tech Tokyoすなわち“Sustainable High City Tech Tokyo”を象徴する施設。元々は、東京2020大会や開催都市である東京の情報発信の場として機能していた「東京スポーツスクエア」です。

「持続可能な社会の実現を目指す」SusHi Tech Tokyoは東京都の一事業であり、一歩先の未来を予測することも難しい時代において、東京が世界に発信するコンセプトとして掲げられています。

そうした場における展覧会シリーズ「PASs(Playground for Altenative Seeds)」が発足し、アートを触媒にして日々の生活・思考を自由にする空間を創造しています。SusHi Tech Tokyoのコンセプトをひも解き、“新たな種を育む思考の遊び場”をイメージして名付けられました。

わたしのからだは心になる?展の見どころ

わたしの体、あなたの体。
それぞれ異なるこの体から、アートとテクノロジーを介して多様なイメージが湧きだす展覧会。

展覧会公式ビジュアルより

会場ではクリエイターによるメディアアート作品を4つのゾーンに分けて展示。

  • <機械と身体>
  • <バーチャルな身体>
  • <社会のなかの身体>
  • <環境と身体>

各作品に「わたしのからだは〇〇になる」とコピーを付け、問いかけを提示するバナーを設置しています。まず目にすれば、鑑賞のヒントや考えるきっかけに。

わたしのからだは〇〇になる?

モノになる、誰かになる、不要になる——クリエイターたちの発想力から生み出された作品を見て、感じて、体験する。その中で自分なりに思ったことや刺激を受けたことが一つでもあるなら、それは少なからず意味のあることです。

早稲田大学基幹理工学部表現工学科 橋田朋子研究室の特別展示や、地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センターと地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センターの関連展示も見られます。

プレイグラウンドで、遊びながら思考を言語化する。

展示空間の中央にある自由空間「プレイグラウンド」。ここには作品鑑賞の解釈や理解を助ける「アートコミュニケーター」が常駐しています。仕事や勉強をしてもいいし、休憩やお喋りをしてもいい余白地。まさに、自由な遊び場のような空間です。

「ボイスウォール」には、展示を通じて考えたことや感想を自由に書き込めます。何を書いたらいいか分からなくても、お題があるから大丈夫。鑑賞するだけではなく、自ら当事者や参加者となったり、考えて言葉にしたりできる場です。

「どう思う?」「どう思った?」と会話が生まれる傍らで、もちろん一人で過ごしながら思考してもいい。正解はなく、考える余地があるからこそ、色々な人の声が集まります。

ハッシュタグ

#からだ展 #PASs

わたしのからだは何になる?身近な体から一歩先の未来を考えよう。

PASsの展覧会は、解釈や理解を超えて体験や気づきを得られる機会。いわゆる見て楽しむ美術展ではなく、もっと主体的に行動変容を促す場で、小さな未来を考えてみませんか。

東京の未来をどう作っていくか、それを考えるのはクリエイターでもなく都庁職員でもなく、ひとりの鑑賞者である自分自身なのだから。

展覧会は11月19日(日)まで

思考している私たちは、未来の自分とコミュニケーションをとっているのかもしれません。

展覧会情報
会期2023年8月30日(水)〜11月19日(日)
住所〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-8-3 SusHi Tech Square 1F Space
時間平日 11:00~21:00(最終入場20:30)
土休日 10:00~19:00(最終入場18:30)
休館日月曜日(ただし9月18日、10月9日は開場)、9月19日、10月10日
観覧料無料
入場方法個人は予約優先(当日枠あり)、団体は予約制 ※詳細はお問い合わせください
※予約URL:https://e-ve.event-form.jp/pages/1801/cM7YM7oAR8
TEL03-5422-6798
URL展覧会 公式サイト|https://sushitech-real.metro.tokyo.lg.jp/first
交通案内・JR山手線・京浜東北線「有楽町駅」下車[京橋口]徒歩1分
・東京メトロ有楽町線「有楽町駅」下車[D9出口]すぐ
・東京メトロ有楽町線「銀座一丁目駅」下車[1出口]徒歩3分
ご案内

※会期・開館情報は状況により変更になることがあります。

最新情報は、美術館・展覧会のホームページやSNSをご覧ください。

会期中には、同時開催の「TOKYO2020レガシー展」「デジタルでみる東京自然いきもの展」もお楽しみいただけます。