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【展覧会レポート】世田谷美術館『宮城壮太郎展——使えるもの、美しいもの』

「情報化社会の中でのデザインの意味と役割とは?」

情報で溢れる現代に生きながら、時代に即したデザインを追求し続けた人がいます。
デザイナーの宮城壮太郎(みやぎそうたろう)です。

彼の幅広い仕事ぶりを伝える展覧会が、東京都・世田谷世田谷美術館で始まりました。

9月中頃、秋めく砧公園を歩いてプレス内覧会へ。
展示風景の写真を交えながら、展覧会の見どころについてご紹介します。

展覧会公式フライヤー
会場内の写真について

※本展主催者の許可を得て撮影をしています。

『宮城壮太郎展——使えるもの、美しいもの』の概要

いつも使っている文房具や調理器具はあまりにも手に馴染みすぎて、誰がデザインしたのかはあまり気にしないことが多いのではないでしょうか。

しかし、その使い勝手や身の回りに置いた時の心地よさこそ、デザインが生み出すものなのです。

宮城壮太郎は、そのような日常のモノと空間を数多くデザインしてきた人物です。

こんな人におすすめ

・デザインが好き!デザインを学んでいるので勉強がてら見にいきたい!

・文房具が大好きなので文具のデザインを楽しみたい!

・過ごしやすい秋の日に公園でお散歩しつつ美術鑑賞がしたい!

宮城壮太郎ってどんな人?

「宮城壮太郎」と聞いて「誰?」と思う人も、正直なところ多いかもしれません。
しかし、一度は彼のデザインした製品を手にしたことがあるのではないでしょうか。

宮城壮太郎は1951年に生まれ、2011年に60歳の若さで亡くなるまで活躍しました。

高校生の頃からデザイナーを志していた宮城は、千葉大学工学部工業意匠学科に進学してデザインを学びます。
卒業後は1979年に富士フイルム株式会社から販売した「FUJICA HD-1」「FUJICA HD-S」の開発を皮切りに、プロダクトデザインを数多く手がけたのです。

宮城が描いたカメラのデザイン画

独立後は世田谷にも居を構え、デザイナー・デザインコンサルタントとして活躍したそうです。世田谷に縁のある人物という点でも、この展覧会を開いた世田谷美術館にぴったりですね。

展覧会の見どころ

調理器具・食器ブランドの「チェリーテラス」。
ヨーロッパのライフスタイルの中から生み出された製品が、
日本の家庭でさらに機能を発揮できることを意識したのだそう。

展示室ではPart 1〜4までの各章とエピローグを通して、宮城のデザインの功績はもちろん、彼がずっと大切にしてきた信念仕事の精神も紹介しています

随所にあるインタビュー映像は画質が大変良くて美しい!
宮城壮太郎を知るさまざまな人たちの言葉にもぜひ耳を傾けてください。

展示の後半では、ホテルのサイン計画について紹介しています。
サイン計画とは建築用語で、どのような案内標識を・どこに・どのように設置したらよいかをまとめた計画のことです。

「サイン」が伝えるのは、人が行動するために必要な情報。ホテル内で人びとがわかりやすく自由に往来するための仕事にも関わっていました。
会場では、ザ・キャピトルホテル東急羽田エクセルホテル東急など、今も親しまれるホテルのサイン計画にまつわる仕事を映像で伝えています。

デザインやものづくりが好きな人におすすめ

宮城は日用品から工業製品、オフィス用品までさまざまなデザインに挑戦し、幾度もグッドデザイン賞を受賞しました。
“優れたデザインとは何だろう?”と思ったなら、この展覧会でそのヒントが掴めるかもしれません。

アッシュコンセプトの石鹸置き「+d Tsun Tsun(プラスディーツンツン)」
見た目がかわいいだけではなく、機能性にも優れる。

デザインは商品の色や形を決めるだけのものだと思っていたら、大間違いです

山洋電気株式会社での仕事を見てみましょう。

  • CI(コーポレートアイデンティティ)の策定
  • ロゴマークの作成
  • 支店の受付や工場のデザインを統一

宮城はデザインを通して企業イメージを確立させるとともに、製品の名称の付け方についても意見を述べたそうです。
デザインで何を表現し、何を伝えるか。その本質をずっと追い求めていたことが手に取るようにわかります。

宮城はデザインの力を活かして、
ブランドの製品を視覚的に整える作業をしていたのですね。

文房具をはじめ、オフィス用品はいずれも色や形が抑制され、過剰さがないデザインで統一されていることがわかります。
シンプルな形だからこそ機能をストレートに表現しているとも言えますね。

宮城はシンプルな造形を好み、「デザインしないこともひとつのデザイン」と言っていました。
存在に気づかないくらい空間への収まりが良く、他のモノとの整合性が取れることを大切にしていたのです。

スタイリッシュな色合いの「プラスシステムファイルシリーズ」は「オフィスの情報管理」がテーマ。

「プラス」のホッチキスは《かるヒット&ラクヒット》《ピタヒット》のような、機能性もイメージできるネーミングが特徴的です。

コロンとしたフォルムがかわいい!
お気に入りのデザインを見つけてデスクの相棒にしたくなりますね。

「プラス」のホッチキス。
宮城は、デスク周りのアクセントになり好みの主張ができるアイテムとして捉えていたのかもしれません。

みんな知ってる「アスクル」のデザインもしていた!

オフィスワークをしている人なら、一度は「アスクル」の名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。

宮城はアスクルの創業時から関わり、ロゴマークからオリジナル商品まで幅広くデザインを行いました。
さらにはアスクルの顧客第1号となり、ユーザーの立場から意見を述べることもあったそうです!

慣れ親しんでいる人もいるのではないでしょうか?

宮城壮太郎がデザインしたグッズを買える!

ミュージアムショップでは宮城がデザインしたブランド「hmnyエイチエムエヌワイの名刺入れやキーケースを購入できます。
生産終了している希少なアイテムはなくなり次第終了。貴重なグッズにも注目してみましょう。

宮城壮太郎の仕事を通して「デザイン」を考える展覧会

宮城壮太郎はこんな言葉を残しています。

——真のモノの価値 真に人間の幸せのために

宮城壮太郎

これは、宮城が教鞭をとっていた法政大学大学院デザイン工学研究科の授業で、学生に向けて残したメッセージ。
情報もモノもごまんとある世界で、本質を見失わないことをずっと訴えかけていました。

宮城壮太郎の世界を楽しめるのは11月13日(日)まで

日常的なモノだからこそ、そこに込められた思いの結晶を見つめてみませんか?

展覧会情報
会期2022年9月17日(土)〜2022年11月13日(日)
住所東京都世田谷区砧公園1-2
時間10:00〜18:00(最終入場時間 17:30)
休館日毎週月曜日
観覧料一般1,200円|65歳以上1,000円|大高生800円|中小生500円
*障害者の方は500円。ただし、小中高大学生の障害者は無料。
*介助者(当該障害者1名につき1名)は無料(予約不要)。
*高校生、大学生、専門学校生、65歳以上の方、各種手帳をお持ちの方は、証明できるものをご提示ください。
TEL050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL世田谷美術館|https://www.setagayaartmuseum.or.jp/
交通案内https://www.setagayaartmuseum.or.jp/guide/access/
ご案内

※会期・開館情報は状況により変更になることがあります。

最新情報は、美術館・展覧会のホームページやSNSをご覧ください。

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