突き抜けるような明るさのポップアートに出会ってみない?
日本のアーティストは儚さや脆さ・哀しみを表現することがどちらかと言えば多く、人びとにもそのような作品が好まれやすいと、ギャラリーの方はおっしゃいました。
私たち日本人はわび・さびの国に生まれた人間、もはやDNAなのかもしれません。
けれども今、東京都・港区のbetween the arts galleryで展示されている作品はそれらとは全く異なるおもしろさがありあります。
フランス在住のアーティストデュオ・LEO&STEPH(レオ&ステフ)の表現。一体どのようなものなのでしょうか?
今回は個展開催とともに行われたプライベートパーティーにご招待いただき、会場の様子を取材いたしました。
ぜひ多くの人にLEO&STEPHの良さを知っていただきたく、本記事でご紹介します。
『LEO&STEPH SOLO EXHIBITION』の概要
『LEO&STEPH SOLO EXHIBITION』は、フランス在住のポップアーティストデュオ「LEO&STEPH」の個展です。
LEO&STEPHは、ブラジル出身のLeo(レオ)とフランス出身のStéphane(ステファン)からなる2人組。色彩豊かでポジティブな雰囲気を纏った作品は、世界中のセレブリティ・コレクター・ポップアート愛好家から支持されています。
昨年度に、日本では初となる個展がbetween the arts galleryで開催され多くの反響がありました。
現在、国内でLEO&STEPHの作品を取り扱うのはbetween the arts galleryだけとのことです。
今回は2回目の個展として、フランスで制作されたばかりの新作10点をお披露目しています。
・海外のポップアートが見たい!
・明るく前向きな気持ちになれる作品を見に行きたい!
・アートの購入や投資に興味がある!好きなアーティストや作品を探したい!
株式会社between the artsは2020年1月に設立された会社で、アート領域のさまざまなDX推進事業を手掛けています。
作品を生み出すアーティストと、作品を入手するコレクターの両方を支援していることが特徴的。
主に以下の事業を展開している企業です。
- コレクションをスマホで管理でき、無料で資産状況が把握できる日本初のサービス「COLLET(コレット)」
- コレクションの保管・運搬・撮影・額装・展示替えなどを請け負う「美術倉庫」
- 作品預かりやアーティスト専用の作品紹介ページ制作など、作家支援に特化したサービス「artworks」
between the arts galleryは、「artworks」の一環として港区・元麻布に作られたギャラリーとのこと。
作品を近い距離で眺められる、コンパクトでプライベート感のある空間が魅力的です。
今回は取材の機会をいただき、株式会社between the artsの会員限定オープニングレセプションに参加いたしました。
ここからは会場写真も交えながらギャラリーの様子をお届けします。
今回は、LEO&STEPHの作品から「KID CUP」シリーズが10点展示・販売されています。
「KID CUP」はLEO&STEPHが描く顔のないキャラクターで、決して手放さない「Love Cup」の中身をストローで飲んでいます。
(KID CUPは)未来への希望やそれぞれの好きが詰まった『人生』を味わう姿を現しています。また、そのカップの中身を飲むことは、これからの人生を好きなもので溢れさせていくという意味を持ち、ポジティブで明るいバイブスを持った「KID CUP」は、彼らのインナーチャイルドをも映し出しています。
展覧会公式ページより
彼らの制作物の中でも人気が高いのはコミッション作品。
コレクターの要望に合わせて、靴や靴紐の色など細かい部分を変えられるそうです。
まさに1点物のオーダーメイド!
「自分だけのKID CUP」をオーダーできる点も好まれています。
今回は特別にフランスとビデオ通話を繋げて、オンライントークイベントが開催されました。
LEOはグラフィック兼インテリアデザイナーとしてアートディレクターをしながら、絵画や立体作品などの芸術活動に専念した人物。
一方でSTEPHは、20年以上にわたってメディア分野で活躍。多くのテレビ番組の演出で培った経験が、遊び心のあるカラフルな作品の制作に繋がっているそうです。
トークイベントは彼らに作品にまつわる質問をして、作り手から生の声が聞ける貴重な機会。
制作においてはSTEPHが作品のコンセプトや思想など概念の部分を考え、LEOが形にしていくスタイル。
STEPHは作品のモチーフとなるブランドとの渉外担当もしているそうです。
参加者から質問がありましたが、2人はとても仲良し! 制作にあたって葛藤や衝突が生じることは全然ないそうです。
記者が気になった作品《KID CUP NUAGE ROSE(Pink Cloud)》についても質問してみました。
関心が向いたのは、この作品の抽象的な表現。
他の作品はブランド物や宇宙など、「わかりやすく皆が憧れるもの・ハッピーな気持ちになるもの」を描いているのに対して、この絵はどこか空想世界のような印象。どのような意図で制作したのかを知りたくなりました。
彼ら曰く、詩的な雰囲気を意識して描いたとのこと。ふんわりとしたピンク色は可愛さ(kawaii)を表現しているのだとか!
この絵のKID CUPは1人に見えますが、誰かが側にいるようなイメージを持たせているとも言います。
実は彼らの初期作品にこのような抽象表現が多かったようで、ある意味彼らが伝えたい“ポジティブ”や“ハッピー”の原点と言えるものかもしれません。
ポップアートは記者・さつまが意外にもあまり触れてこなかったジャンル。
初めは正直なところ、「どうやって楽しんだらいいのかな?」と思っていました。
けれども、Love Cupをしっかりと掴んだKID CUPはLEO&STEPHのインナーチャイルドであると同時に、私自身の内側にもきっといるのだろうなと思えてきたのです。
私自身がポジティブで幸せに生きるために、内なるKID CUPに素晴らしいジュースを飲ませてあげたい。
鑑賞者を前向きにするハッピーオーラ溢れるマインドは、画面越しに笑顔を見せていきいきと話すLEOとSTEPHの在り方そのものに表れていました。
個展の開催は10月30日(日)まで。
国内で鑑賞できる貴重な機会となっています。
あなたも自分自身のKID CUPの存在に気付けるかも?
会期 | 2022年10月15日(土)〜10月30日(日) |
住所 | 東京都港区元麻布2-2-10 |
時間 | 12:00〜18:00 |
休館日 | ※会期中は休館日なし |
観覧料 | 無料 |
TEL | 050-3196-4325 |
URL | between the arts gallery|https://bwta.jp/gallery/ |
交通案内 | 東京メトロ日比谷線 広尾駅 1 番出口より徒歩 8 分 |