「東京のはら表現部」が東京芸術劇場でオープンのはらSeason5を発表

アーツカウンシル東京や都立文化施設では、共生社会の実現を目指して、あらゆる人が文化芸術に出会い、体験し、参画できるような様々な取り組みを行っています。

その一環として東京芸術劇場が2019年6⽉にスタートし、今年で活動5年目を迎える「東京のはら表現部」。1年間の連続ワークショップの集大成である「オープンのはらSeason5」を2024年2月25日(日)に東京芸術劇場のロワー広場にて開催。「てあわせ」などのデモンストレーションと作品を発表しました。

会場内の写真について

主催者の許可を得て撮影をしています。

東京芸術劇場「東京のはら表現部」とは

東京のはら表現部とは、⾼校⽣からユース世代の障害のある⼈とない⼈が、⾝体のうちから湧き起る⾃然な表現を楽しみ、⼀⼈⼀⼈の個性と思いを⽣かし合って、⼀緒に新しいダンス作品を創造する活動です。

布や新聞紙など様々な素材を使い、表現の幅をバリエーション豊かに広げ、仲間⼀⼈⼀⼈と対等な関係性を築いて、ともに作品を創造します。また、活動を通じてインクルーシブな⾝体表現のファシリテータを育成しています。

オープンのはらSeason5の様子

メンバー全員がステージに集まって開演、出演者は一堂に会します。ファシリテーション実習生から東京のはら表現部の活動について質問されたダンサーメンバーは「すごく楽しい場所」「私の人生を変えてくれた」と前向きに話します。

初めはウォーミングアップです。自由に好きな場所を走って動き回り、大きく上に伸びたり、下にしゃがんだりと身体を動かします。東京のはら表現部のワークショップの延長線上に今日があること、そして普段どのように活動しているのかが伝わります。

次の「てあわせ」は、東京のはら表現部が大切にしている表現のひとつ。手と手、指と指を二人で合わせ、出会ったり離れたりを繰り返しながら身体を自在に操ります。

新聞紙を使ったパフォーマンスでは、自分と新聞紙の様子とを重ね合わせ、大きく揺れたり縮んだりと自由な身体性を楽しみます。もう一方のグループは2024年の辰年にちなんで「龍」をテーマとした作品で、卵から生まれた龍が大きく成長して空を飛ぶ様子を表現しました。

最後の作品発表の前に、ファシリテーション実習生は自らの思いを語ります。

「一人一人が違っているからこそ、こうして今ここに集まって、みんなで一つの何かを作ることがとても面白くて、尊いことなんだなと実感しています。メンバーとお互いの個性を引き出し合って深め合いながら、心の距離も縮まって、私はメンバーのことを大切な兄弟のように感じ始めました。

そんなメンバーとワークショップをする中で、この“のはら”で、お互いを照らし合って相手を輝かせることが、とても美しいと思うようになりました。表現の世界でみんなと出会って繋がって、またバイバーイと別れて、その中ではいつもみんなで照らし合って、輝きが溢れていたなと思います」

「そら」という作品は、東京のはら表現部の第1期メンバーが作ったもの。年ごとにメンバーが変わりながら自分たちの表現を加えて、今日まで踊り継がれている大切な作品です。

最後は観客を誘って、皆で「てあわせ」を行いました。

障害のある方を含む多様な人たちが主役になれる場が、劇場にもあるのだということ。そして、既存の芸術の価値に当てはまるものだけが、心を打つ表現ではないということ。東京のはら表現部は今後もこれらを伝えながら、多様な人たちがともに表現する作品づくりの活動を続けていくそうです。


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