【展覧会レポート】二子玉川ライズ スタジオ & ホール「鈴木康広展 ただ今、発見しています。」

日常の中でふと、「これは何かに似ている」と気付く経験は誰しもあるのではないでしょうか。そうした気付きや、実際にあるものを別の何かに置き換えて表現する「見立て」を創作源とするアーティスト・鈴木康広の都内初開催となる個展が、二子玉川ライズ スタジオ & ホールで開催中です。

誰でも気軽に触れやすい、ひらかれた現代アート。会場の様子と、開催を記念したコラボレーションメニューの実食レポートをお届けします。

※会場内は規定に沿った上で撮影が可能です。

アーティスト・鈴木康広とは

鈴木康広(1979年生)は、身の周りに存在する何気ないものごとに注目し、小さな気付きを独自の視点で捉えなおし作品を制作するアーティストです。NHK Eテレ「みたてるふぉーぜ」の総合指導や、代表作である《ファスナーの船》で知られます。

じつは世界はさまざまな発見の種で満ちていることを、見方をチェンジすることで気がつくような、そんな展覧会をつくりたいな、と思っています。

鈴木康広 コメントより抜粋
鈴木康広《ファスナーの船》2004年

鈴木康広展の見どころ

体験型作品を多く展示し、大人も子どもも「発見」を楽しめる、ひらめきに満ちた展覧会。ここからは会場写真を交えながらレポートします。

発見と気づきの連続!それぞれの「!?」をみつけよう

鈴木康広《空気の人》2014年

会場に入ると、中央には巨大な《空気の人》が横たわっています。鈴木康広の代表作のひとつで、今までにさまざまな国や地域を旅してきたものです。場内のモニターでは、その様子を見ることができます。

近くにあるショーケースのようなガラス張りのディスプレイは、この人の旅の持ち物が入ったカバンなのだとか。ついつい見入ってしまうような、個性的なアイテムが沢山入っています。

鈴木康広《近所の地球 旅の道具》
鈴木康広《りんごの分銅》2013年

床には、足跡の形をしたメッセージが貼られています。すべて鈴木康広の言葉で、「たしかにそうかも!」と共感したり、「そんなふうに見えたんだ!」と驚いたり、クスッと笑えるような感覚を共有できます。

一つひとつが手書きの文字で、温かみを感じられます。

「ただ今、発見しています。」小さな発見機

本展のための新作《小さな発見機》は、お金を入れると発見の「旅」の乗車券が出てきます。発券されるのは、そのときの日時とスケッチが印字されたオリジナルの乗車券。スケッチは100種類を超える中からランダムで、何が出てくるかはお楽しみです。

鈴木康広《小さな発見機》2024年
鈴木康広《小さな発見機(部分)》2024年

まだまだある。体験して大人も子どもも楽しめる展示!

「発見」の手がかりとして、他にもただ鑑賞するだけではない体験型の作品が数多く見られます。

会場に大きくそびえている木のようなオブジェは《まばたきの葉》です。開いた目と閉じた目がプリントされた、葉のかたちの白い紙を何枚か拾って差し込み口に入れてみると、上から噴き出てクルクルと回転しながら落ちてきます。その様子がまばたきに見える、これも見立てのひとつです。

床に散らばっている白い紙をいくつか拾って入れるだけ。
枚数を多く入れれば入れるほど、沢山落ちてきます。
近くのベンチに座ると、ふと鈴木康広の目と目が合います。数秒に1回まばたきする瞬間をぜひ見てみて。

他には、目をつぶった自分の顔写真で証明書を発行して持ち帰れる《まばたき証明写真》や、自分の発見を言葉にして残せる《発見の足跡》など、個性豊かな作品群を楽しめます。

鈴木康広《まばたき証明写真》2011年
鈴木康広《発見の足跡》2024年

二子玉川駅に直結しているから、気軽に立ち寄りやすい。

二子玉川ライズは駅の東口を出てすぐ。ふらっとお買い物のついでなど、立ち寄りやすい立地です。ガラス張りになっているから、外から見たときに「これは何だろう?入ってみようかな?」と興味をそそられます。

夜は19時まで(土曜日は20時まで)オープンしているから、お仕事帰りなど遅い時間にも楽しめます。昼と夜の表情のちがいも面白いところ。《空気の人》が夜空に浮かんでいるように見えたり、りんご型のルーペに屋外のイルミネーションが映っていたりと、この場所でしか見られない景色に出会えます。

鈴木康広《地球展開儀》2011年
「鈴木康広展 ただ今、発見しています。」会場風景より
鈴木康広《近所の地球 旅の道具》の中にあるりんご型のルーペ

コラボレーションメニュー「森のホタテ」を実食!

鈴木康広展の期間中、すぐ近くにある二子玉川 エクセルホテル東急ではユニークなコラボレーションメニューが登場しています。30階にある「The 30th Dining Bar」にてディナータイム限定でいただける、「森のホタテ」を実際に注文して味わってきました。

森のホタテ 1,950円(税込)

「発見」や「見立て」をテーマとした本展に合わせて、「エリンギを切ったらホタテに見えるのでは?」というシェフの発見から生まれた「森のホタテ」。バターでソテーしたエリンギをホタテに見立てたアペタイザーです。たしかにその見た目は、ホタテの貝柱にそっくり。

肉厚でジューシーなエリンギに、ホタテエキスを使用したソースが絡んで口の中にうまみが広がります。エリンギだけど味や見た目はホタテ、というユニークさ。トッピングの青のりで磯の香りが加わって、まさに海の幸を食べているような不思議な感覚になります。たっぷりのソースはマッシュポテトに絡めても美味。なめらかな舌触りは、パリパリの薄い皮と合わされば食感の変化も楽しめます。

一緒に本物のホタテも味わえるのが嬉しいところ。「今食べたのはホタテとエリンギ、どっち?」と会話が弾むような時間を過ごせます。

鈴木康広展の会場でもらえるThanks Card(サンクスカード)を提示すると、グラスワインまたはソフトドリンクが1杯サービスとなります。この日は、スタッフの方も「良い組み合わせですね!」と仰った白ワインを。塩気のある一皿は、きっとビールとも好相性のはずです。パンが付いてくるので、ソースも残さず最後までいただけます。

お天気の良い日は、広い窓からの眺望を楽しめます。きらびやかな夜景を見ながら展覧会の余韻に浸る特別なひとときを。サンクスカードは会期終了の9月1日(日)まで何度でも使えるので、自分にちょっぴりラグジュアリーなご褒美をあげたい日にぜひご利用ください。

※ご利用の際は事前予約をお願いいたします。
※17:00〜21:00(ラストオーダー20:00)のみのご提供です。

お得なThanks Card(サンクスカード)は何度でも使える!

エクセルホテル東急のほか、二子玉川ライズS.C.タウンフロント7Fのカフェ「chano-ma」でも作品にちなんだドリンク「ナタデココ入りブルーハワイクリームソーダ」を提供しています。こちらでは、サンクスカードの提示でコーヒーor紅茶(ホットorアイス)の1杯サービスとなります。

身近なものに対する小さな気付きや、他人の気付きや見立てから「その発想はなかった!」と驚く感覚は、日常の中で出会えても案外すぐに忘れてしまいがちなもの。それらを拾い上げて表現する鈴木康広の作品を見ていると、何となくものの見方が変わったり、「もっと頭を柔らかくしてみようかな」と思ってみたりと、さまざまな刺激を受けられます。

Bunkamura ザ・ミュージアムが、文化と自然にあふれるヒラメキの場所・二子玉川の地にて開催する本展。現在進行形で生まれ続ける「発見」をお楽しみください。

開催概要
会期2024年7月20日(土)~2024年9月1日(日)
住所東京都世田谷区玉川1-14-1 二子玉川ライズ
時間10:00〜19:00(毎週土曜日は10:00〜20:00)
*最終入場は各閉場の30分前まで
休館日なし
観覧料一般:1,000円
大学・高校・中学生:700円
小学生:500円
*大学・高校・中学生、小学生は当日券のみの取扱い。(前売券の販売はございません)
*学生券をお求めの場合は、学生証のご提示をお願いいたします。(小学生は除く)
*障がい者手帳のご提示で、ご本人様とお付き添いの方1名様は半額となります。(一般500円、大学・高校・中学生350円、小学生250円)当日窓口にてご購入ください。
*小学生以下のお客様は保護者(大人)の同伴が必要です。
*未就学児は入場無料。
*会場内に別途料金が必要な体験型作品もございます。
TEL050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL展覧会公式サイト|https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/24_suzuki/
交通案内東急田園都市線・大井町線「二子玉川」駅より、リボンストリートを直進徒歩4分
主催Bunkamura

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