箱根を楽しむアート旅を。3日間で6つの美術館を巡る旅のすすめ

都心から少し足を伸ばす、小旅行にぴったりの箱根。小涌谷の温泉、雄大な山を眺めるロープウェイ、芦ノ湖の海賊船など観光で人気の箱根は、大小いくつもの美術館が点在するアート旅の聖地でもあります。箱根を訪れたら行くべき美術館、旅程づくりに役立つおすすめルートをまとめました。

箱根のアート旅で知っておきたい、行程づくりのコツ。

箱根登山電車の車窓から

箱根の美術館巡りで鍵になるのは、所在エリアと開館時間。まず、美術館のあるエリアは主に「仙石原地区」「強羅地区」「芦ノ湖地区」に分けられます。効率良く周遊するには、同じ日に同じエリアの美術館を予定するのが得策。自ずと宿泊地も決めやすくなります。
参照:小田急トラベル「箱根エリアガイド

開館時間はオープンが早い館から先に見て、閉館が遅い館を最後に見ると時間を有効活用できます。早いところでは朝9時から開館し、閉館は最も遅い館が17時半(2024年3月時点)。また、レストランのある美術館はお昼時に、カフェのある美術館はおやつ時に予定すれば、丸一日かけて美術館を味わい尽くせます。

交通網は箱根登山電車箱根登山バスが通っていて、タクシーも行き交うので(台数に限り有り)車がない人でも大丈夫。駐車場はほとんどの施設にありますが、急坂や急カーブが多い山道に慣れていない人は公共交通機関を使うと無難です。

箱根アート旅のモデルコースをご紹介。1日目は仙石原地区へ

モデルコースとして、首都圏から出発して仙石原地区、強羅地区、芦ノ湖地区の順に巡る箱根アート旅のおすすめルートをご紹介します。

箱根ラリック美術館|ガラス作品の美しさとオリエント急行を楽しむ

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: DSCF3627.jpg
エントランスにある香水瓶の木は撮影可能

19世紀から20世紀のフランスで活躍した、ガラス工芸家として名高いルネ・ラリックの作品を展示する美術館。アール・ヌーヴォーとアール・デコ、二つの時代にわたって制作に取り組んだラリックの生涯や、作品の魅力がよく分かります。

カジュアルフレンチとセミビュッフェを堪能できる「レストラン・エモア」では、箱根西麓野菜を中心に使用した前菜やサラダ、、選べるメインディッシュを味わえます。ガラスグッズが豊富なミュージアムショップも見どころ満載です。

ラリックの室内装飾を鑑賞しながらお茶ができるオリエント急行は、パリと南フランスを結ぶ「コート・ダジュール特急」として使用された実物の車両を箱根に移設したもの。優雅なティータイムを過ごせます。

箱根ガラスの森美術館|ヴェネチアン・グラスの輝きに魅せられて

桜をイメージしたヴェネチアン・グラスの作品

イタリアの異国情緒豊かな雰囲気を楽しめるテーマパークのような。日本初のヴェネチアン・グラス専門の美術館です。ヨーロッパ貴族が愛したヴェネチアン・グラスから現代のガラス作家による作品まで、様々なガラスの彩りと輝きを鑑賞できます。

毎日6回、生演奏のコンサートが聴ける「カフェテラッツァ」では本格的なメニューを種類豊富にご用意。贅沢なお食事やスイーツを味わいながらのんびりと過ごせます。

この日の宿泊は仙石原地区で。観光地なので泊まる場所は充実しています。温泉やサウナで癒やされながら、一日の余韻に浸りましょう。

2日目は強羅地区で、豊かな自然

朝食後、宿をチェックアウトしたら再び美術館へ。仙石原地区から強羅地区へ移動します。

ポーラ美術館|箱根の自然を感じながらアートとつながる体験を

ポーラ美術館 エントランス

富士箱根伊豆国立公園の中に建つポーラ美術館は、山に近く自然豊か。モネやピカソなどの西洋絵画から現代美術まで、多彩なコレクションを有しています。

彫刻の森美術館|屋外で彫刻作品を楽しむ

屋外展示場の風景

彫刻作品を数多く展示する国内最初の野外美術館です。このような形式の美術館は海外から見ても珍しく、訪日外国人の観光客も多く訪れます。

広い敷地内は、コレクションを公開する本館ギャラリーやピカソ館、「幸せをよぶシンフォニー彫刻」など見どころが豊富。子ども向けのアクティビティも充実しているので、ファミリーにもおすすめです。

この日は強羅地区で宿泊を。箱根登山鉄道の終着駅にあたる強羅駅からは、バスやケーブルカーを使った周辺へのアクセスが便利です。

3日目は芦ノ湖地区で、水辺を眺めながらまったり過ごす。

箱根旅もいよいよ終盤。3日目は強羅地区から芦ノ湖地区へ移動します。芦ノ湖まではバス1本、車窓から山々の景色を楽しみながら過ごしましょう。

岡田美術館|質・量ともに圧倒する日本美術

風神・雷神の大壁画「風・刻(かぜ・とき)」

強羅駅の南側にある岡田美術館は、日本・中国・韓国を中心とする古代から現代までの美術品を収蔵しています。全5フロアに及ぶ大ボリュームの展示は見応えがあり、陶磁器・日本画・工芸品など所蔵品はどれも名品揃い。落ち着いた快適な環境で、心静かに美術鑑賞を楽しめます。

ミュージアムショップではピエール・エルメ・パリとのコラボレーションによる限定チョコレートを販売。昭和初期の日本家屋を改装した風流な飲食施設「開化亭」では、日本庭園を眺めながらお食事や甘味を。山海の幸を使用したうどんは、モチモチの食感とやさしいお出汁の味わいでほっと一息つけます。

休憩は100%源泉かけ流しの足湯カフェで。飲み物やソフトクリームなどを注文して、穏やかな時間を過ごしながらじんわりと温まりましょう。

箱根芦ノ湖 成川美術館|富士山が見える現代日本画の館

展望ラウンジから眺める芦ノ湖と富士山

芦ノ湖のほとりに建つ、現代日本画の美術館です。東山魁夷や平山郁夫などの作品を所蔵し、昭和中期以降の様々な現代日本画のコレクションを紹介しています。

ティーラウンジ「季節風」では、ガラス工芸家や陶芸家などアーティストが手がけた器で甘味を味わえす。呈茶が好きな人には、抹茶と上生菓子のセット「椿」もおすすめです。

まだまだ他にもある、箱根の美術館

ご紹介した美術館以外にも、箱根には美術鑑賞を楽しめる施設が豊富にあります。興味のあるものを選んで、自分なりの箱根アート旅に出かけてみませんか。

館名住所特徴
箱根美術館〒250-0408 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300昭和27年に開館した歴史ある美術館。やきもののコレクションが豊富で、庭園「神仙郷」には抹茶と和菓子を味わえる「茶室 真和亭」がある。
箱根マイセンアンティーク美術館〒250-0408 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320-653マイセン磁器や陶器のアンティーク人形などを展示・販売する、クラシカルな雰囲気が魅力の美術館。マイセンのカップで紅茶やコーヒーを飲めるカフェがある。
箱根写真美術館〒250-0408 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300-432箱根で生まれ育った写真家、遠藤桂の作品を展示する美術館。カフェ「Plaisir de lʼœuf」を併設する。
※展示室は改修工事のため休館中、2024年3月16日リニューアルオープン予定
箱根武士の里美術館〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原817-580室町時代から江戸時代末期にかけての甲冑武具をはじめ、様々な日本美術を展示する美術館。
※当面は休館
星の王子さまミュージアム〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原909名作「星の王子さま」と作者のサン=テグジュペリを題材にしたミュージアム。
※2023年3月31日閉館
箱根神社 宝物殿〒250-0522 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根箱根神社に伝わる宝物類や資料を収蔵・展示する施設。重要文化財の神像や縁起絵巻、社宝の太刀などを保管している。

ご案内

開館情報は状況により変更になることがあります。

最新情報は、美術館の公式ホームページやSNSをご参照ください。

\この記事が役に立ったと感じたら/

詳しく知りたい人はこちらの記事をチェック
友だち追加

記事をもっと見る