——死ぬまでに一度は行ってみたい。世界各地のあの場所、この場所。
東京都・天王洲の寺田倉庫で、一風変わった写真展が始まりました。その名も「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」。映画のような物語性のあるビジュアルと、キュートでカラフルポップなクリエイティブが目を惹くこの展覧会には、どのようなメッセージが込められているのでしょうか?
4月下旬、プレス内覧会へ。会場のお写真を交えながら見どころについて解説します。
『ウェス・アンダーソンすぎる風景展』の概要
本展は、2022年に韓国・ソウルで開催されて大好評となった「AWA展」の日本巡回展です。
AWAは“Accidentally Wes Anderson”の略称で、日本では「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」というタイトルに。秀逸な和訳!
世界各地の写真はどれも、まるでウェス・アンダーソン監督の映画の1シーンを切り取ったような1枚です。それらの風景を通じて旅を疑似体験できるよう構成されています。
東京都・渋谷にあるBunkamuraザ・ミュージアムの展覧会ですが、長期休館にともない寺田倉庫に場所を移しての開催となりました。
・ウェス・アンダーソン監督の作品が好きなのでAWA展にも足を運びたい!
・映画みたいな風景を探して世界中を旅したい!
・自撮りもできるインスタ・TikTok・Lemon8映えスポットで写真や動画を撮りたい!
ウェス・アンダーソン(Wes Anderson)はアメリカの映画監督です。独自の映像スタイルと鮮やかな色彩、シュールでクリエイティブな物語性で世界中に熱狂的ファンを持っています。
おすすめの映画には代表作でもある『グランド・ブダペスト・ホテル』や日本を舞台にした『犬ヶ島』などがあります。
そして「AWA」は、ウェス・アンダーソンの映画に出てきそうな実在する風景を撮影して投稿する、Instagramの人気グローバルコミュニティです。フォロワー数は175万人超え!
その始まりは、2017年にニューヨーク在住のワリー&アマンダ夫妻が旅の計画のために開設したアカウントでした。
たちまち人気が出たAWAは書籍化し、ベストセラー4位に。その年にウェス・アンダーソンが好きなキュレーターがAWAを知り、夫妻に連絡したことで展覧会の企画がスタートしたそうです。
画像を通して交流するコミュニティサイト、そしてオンラインで確立する世界観などは、言うなれば「令和」「Z世代」を感じさせる新規性に富んでいます。
AWA展では、「ウェス・アンダーソンすぎる」を次のように定義しています。
- 左右対称の構図である(シンメトリー)
- パステルカラーが強調されていてカラフル、ポップ
- はっきりとした模様があり、装飾性が高い
少なくとも1つは満たしていることが条件!目にも鮮やかでストーリーを感じさせる魅力的な写真は、ウェスファンはもちろん、そうではない人もきっと楽しめます。
作品の解説はモバイルでも読めます。気に入った作品はぜひ、その背景のエピソードにも注目してみましょう。
AWA展の良さは、可愛い展示空間を思う存分に楽しめるところ!
パステルカラーの淡い色調がもたらすノスタルジーは、エモーショナルに旅情を掻き立てます。また、仕事や生活などの日常から離れた特別感を演出する、心ときめく仕掛けです。
一方で、AWAの投稿作品には傾きや色褪せなど、不完全さも見られることが特徴です。その独特な世界観に浸ってみましょう。
本展では約300点の写真を10のゾーンに分けて紹介しています。ウェス・アンダーソン作品によく登場するシーンになぞらえているのだとか。
その章立てと並びにも是非ご注目を。まずは旅の思い出を懐かしむように過去のアルバムを開き、駅を起点に新たな旅路へ出発する。飛行機や列車などの乗り物で移動し、異国情緒あふれる市街地へ。ホテルにチェックインしたらプールで一休み……そんなリアリティと臨場感のある旅のワクワク感を楽しめます。
会場では韓国・ソウルから直輸入するグッズの他、東京展オリジナルグッズも販売しています。
会期中は同じ天王洲エリアにあるWHAT CAFEとのコラボレーションにもご注目!
展覧会にちなんだ特別メニューとフォトスポットが登場します。ウェス・アンダーソンの世界観を彷彿とさせるパステルカラーのキュートなクリームソーダや、ケーキ、アイスクリームなどを展示と一緒に楽しみましょう。
また、会期終了後も7月31日(月)まで『ウェス・アンダーソンすぎる風景みつけたコンテスト』が開催されます。優秀作品は公式ホームページほかで発表予定です。詳細は公式サイトの紹介ページをご覧ください。
ノスタルジックでフォトジェニックな、憧れの世界の旅。「旅がしたい!」という気持ちが湧き上がるワールドワイドな世界観が魅力的です。
一方で、AWAコミュニティに投稿されるのは旅行向けの名スポットばかりではありません。いつも見ているありきたりな風景も沢山あります。それらを別の視点で見ると、撮り方次第では全く別の風景になる。実は旅をしなくても、ワクワクするような風景は意外と身近にあるのかもしれません。
AWA展からは「旅に出ること」と「身近な風景を発見すること」の対照的な2つのテーマ性が感じ取れます。
展覧会は5月26日(金)までですが、好評につきヒカリエホール(渋谷ヒカリエ9F)で再開催が決定しました!
[ 会 期 ]2023年11月25日(土)~12月28日(木)
[ 会 場 ]ヒカリエホール(渋谷ヒカリエ9F) 東京都渋谷区渋谷2丁目21-1
再来を心待ちにしながら、“ウェスアンダーソンすぎる風景”を探す「冒険者」になってみませんか?
会期 | 2023年4月5日(水)~ 5月26日(金) |
住所 | 東京都品川区東品川2丁目6‐4 寺田倉庫G1ビル |
時間 | 11~19時 毎週金・土曜日:11~20時 (入館は閉館の各30分前まで) ※GW中(4月30日~5月4日)と最終週(5月22日~25日)は11〜20時 ※状況により、会期・開館時間等が変更となる場合がございます。 ※本展は予約不要ですが、状況によりオンラインによる事前予約が必要となる場合がございます。 |
休館日 | 休館日なし |
観覧料 | 一般:前売 1,800円 当日 2,000円 大学生:1,300円 1,500円 高校生以下:800円 1,000円 |
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | 展覧会 公式サイト|https://awa2023.jp/ |
交通案内 | ● りんかい線 天王洲アイル駅 B出口より徒歩4分 ● 東京モノレール羽田空港線 天王洲アイル駅 中央口より徒歩5分 *当館には専用駐車場はございません。 |